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根管治療後に激痛で寝れないのはなぜ?考えられる原因と受診の目安

根管治療後の激痛に悩む方へ
根管治療を受けたあと、「夜も眠れないほど痛い」と感じたことはありませんか?
治療が終わったのに、なぜこんなに痛むのか。不安になりますよね。
根管治療は歯の神経を取り除き、根の中をきれいにする処置です。通常、治療後には多少の違和感や軽い痛みが出ることはありますが、それは数日で治まるのが一般的です。しかし、なかには「激痛で寝られない」「痛み止めが効かない」といった強い症状に悩まされる方もいらっしゃいます。
本記事では、根管治療後に激しい痛みが続く場合に考えられる原因を整理し、どのような症状が出たら早めに歯科医院へ相談すべきかをお伝えします。一般的な術後の痛みとは異なる「強い痛み」に焦点を当てて解説していきますので、今まさに痛みに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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根管治療とは?どんな処置をしているのか
根管治療は、歯の根っこの中にある神経や血管を取り除く治療です。
虫歯が進行して神経まで達すると、強い痛みや炎症が起こります。そのままにしておくと、歯の内部で細菌が繁殖し、根の先に膿が溜まることもあります。根管治療では、感染した神経や組織を除去し、根の中を消毒・洗浄してから薬剤を詰めて密閉します。
治療の流れは次のとおりです。
- 麻酔をかけて歯に小さな穴を開ける
- 感染した神経や血管を取り除く
- 根管内部を専用の器具で清掃する
- 消毒薬で洗浄し、殺菌する
- 根管内に薬剤を詰めて密閉する
- 被せ物をして治療完了
根管は非常に細く、複雑な形をしています。そのため、治療には高度な技術と経験が求められます。当院では、精密根管治療時にはマイクロスコープを使用し、拡大視野で根管内部を詳細に確認しながら治療を行っています。肉眼では見えにくい部分まで確認できるため、感染源の取り残しを防ぎ、再発リスクを低減することが可能です。

通常の術後の痛みと激痛の違い
根管治療後には、ある程度の痛みや違和感が出ることがあります。
これは治療上の刺激によるもので、多くの場合は数日から1週間程度で自然に治まります。
通常の術後の痛みは、次のような特徴があります。
- 鈍い痛みや重い感じがある
- 噛むと違和感がある
- 市販の痛み止めで対応できる
- 日を追うごとに痛みが和らいでいく
一方、激痛と呼べるような強い痛みは、通常の術後の痛みとは明らかに異なります。
激痛の特徴は以下のとおりです。
- ズキズキとした強い痛みが続く
- 夜も眠れないほど痛い
- 痛み止めを飲んでも効かない
- 日を追うごとに痛みが強くなる
- 歯茎が腫れてくる
- 顔まで腫れてくる
このような激しい痛みが出ている場合は、何らかの異常が起きている可能性があります。我慢せず、早めに歯科医院へ連絡してください。

激痛が起こる主な原因
根管治療後に激しい痛みが続く場合、いくつかの原因が考えられます。
根管内に膿が溜まっている
根の先に膿が溜まっていると、ズキズキとした強い痛みが出ます。
治療で感染源を取り除いた後、体が治ろうとする過程で一時的に炎症が強まることがあります。これを「急性期」と呼びます。膿が溜まっている状態では、歯茎が腫れたり、顔まで腫れたりすることもあります。
膿が出ない場合は、歯茎を切開して膿を出す処置が必要になることもあります。抗生物質や鎮痛剤を服用しながら、腫れや痛みを抑えていきます。
細菌感染が残っている
根管内の清掃が不十分な場合、細菌が残ってしまうことがあります。
根管は非常に複雑な形をしており、細い枝分かれした部分も存在します。そのため、どれだけ丁寧に治療を行っても、わずかに細菌が残ることがあります。残った細菌が再び増殖すると炎症が起こり、強い痛みが出ることがあります。
また、根管治療の途中や治療後に、一時的に痛みや腫れが強くなる「フレアアップ」と呼ばれる症状が起こる場合もあります。これは根管内の細菌や炎症反応によって生じることがあり、必ずしも治療が失敗しているわけではありません。
このような場合は、再度根管治療を行い、感染源をできるだけ取り除くことが大切です。当院では、精密根管治療など感染対策が重要な治療において、ラバーダムを使用し、唾液による細菌の侵入を防ぎながら治療を行っています。

歯根膜の炎症
歯を支える組織「歯根膜」に炎症が起きている場合も、強い痛みが出ます。
治療中に器具で根の先を触ったり、薬剤を詰める際に圧力がかかったりすると、歯根膜が刺激されて炎症を起こすことがあります。この場合、噛むと痛い、歯を押すと痛いといった症状が現れます。
歯根膜の炎症による痛みは、通常1週間程度で治まります。ただし、痛みが長引く場合は、他の原因が隠れている可能性もあります。
薬剤を詰めた圧力による痛み
根管内に薬剤を詰める際、隙間なく緊密に詰めるため、圧力がかかります。
この圧力によって、一時的に痛みが出ることがあります。根管充填と呼ばれるこの処置では、ガッタパーチャやMTAセメントといった薬剤を使用します。薬剤が固まるまでの間、違和感や痛みを感じることがありますが、通常は1週間以内に治まります。
噛み合わせの影響
治療後の被せ物の高さが合っていないと、噛むたびに強い刺激が加わります。
噛み合わせが高いと、その歯だけに過度な力がかかり、歯根膜に負担がかかります。結果として、強い痛みや違和感が続くことがあります。この場合は、被せ物の高さを調整することで痛みが改善します。
歯根の破折
歯の根が割れている場合、治療後も痛みが続きます。
歯根破折は、神経を取った歯に起こりやすいトラブルです。神経を失った歯は栄養が届かなくなり、もろくなります。強い力がかかると、根が縦に割れてしまうことがあります。歯根破折が起きると、細菌が侵入しやすくなり、炎症や痛みが続きます。
残念ながら、歯根破折が大きい場合は抜歯となることもあります。ただし、破折の程度によっては保存できる場合もありますので、まずは診察を受けることが大切です。

早めに受診すべき症状の目安
根管治療後の痛みが、どの程度なら様子を見てよいのか、判断に迷うことがあります。
以下のような症状が出ている場合は、早めに歯科医院へ連絡してください。
- 痛みが1週間以上続いている
- 日を追うごとに痛みが強くなっている
- 痛み止めを飲んでも全く効かない
- 夜も眠れないほどの激痛がある
- 歯茎が大きく腫れている
- 顔や首まで腫れてきた
- 発熱や倦怠感がある
- 物を飲み込むのが辛いほど喉が腫れている
特に、顔や首まで腫れてきた場合や、発熱がある場合は、感染が広がっている可能性があります。蜂窩織炎と呼ばれる重篤な状態になることもあるため、すぐに受診してください。
一方、次のような症状であれば、数日間様子を見ても問題ありません。
- 軽い違和感や鈍い痛みがある
- 噛むと少し痛いが、日常生活に支障はない
- 市販の痛み止めで痛みが治まる
- 日を追うごとに痛みが和らいでいる
ただし、不安な場合は遠慮なく歯科医院へ連絡してください。電話で症状を伝えれば、受診が必要かどうかアドバイスをもらえます。
痛みが出たときの対処法
激しい痛みが出たとき、すぐに歯科医院へ行けない場合もあります。
そのような場合は、以下の対処法を試してみてください。

痛み止めを服用する
市販の鎮痛剤を服用してください。
ロキソニンやイブプロフェンなど、消炎鎮痛作用のある薬が効果的です。ただし、用法・用量を守って服用してください。痛み止めを飲んでも効かない場合は、無理に追加で飲まず、歯科医院へ連絡してください。
患部を冷やす
痛みが強い場合は、頬の上からタオルを巻いた氷で冷やしてください。
冷やすことで血流が抑えられ、炎症が和らぎます。ただし、直接氷を当てると冷やしすぎてしまうため、必ずタオルで包んでください。また、長時間冷やし続けるのも逆効果ですので、10分程度を目安にしてください。
安静にする
痛みが強いときは、無理をせず安静にしてください。
運動や飲酒は血流を増やし、痛みを強くすることがあります。また、熱いお風呂に長時間浸かるのも避けてください。シャワー程度にとどめ、体を温めすぎないようにしましょう。
刺激物を避ける
辛いものや熱いもの、硬いものは避けてください。
患部に刺激を与えると、痛みが強くなることがあります。柔らかく、温度の低い食事を心がけてください。また、痛む側では噛まないようにしましょう。

当院の精密根管治療について
小林歯科医院では、マイクロスコープを用いた精密根管治療を行っています。
マイクロスコープは、肉眼の最大20倍まで拡大して見ることができる歯科用顕微鏡です。根管内部の細部まで確認しながら治療を進めるため、感染源の取り残しを防ぎ、再発リスクを大幅に低減できます。
院長は日本顕微鏡歯科学会の認定医であり、長年にわたりマイクロスコープを用いた治療に取り組んできました。経験や勘に頼るのではなく、視覚情報に基づいた確実な処置を行っています。
また、治療中の画像や動画を記録し、患者さんにも治療の過程をご説明しています。「いま歯がどうなっていて、何をして、どう改善したのか」が見て分かるため、不安が強い方でも納得して治療を進めていただけます。
さらに、ラバーダム防湿を使用し、唾液による細菌の侵入を防いでいます。根管治療では、感染対策が非常に重要です。唾液の中には1滴あたり1億〜10億もの細菌が存在しています。ラバーダムを使用することで、治療中に唾液が根管内に入るのを防ぎ、治療の成功率を高めています。
当院では、「できる限り歯を残すこと」「再治療を繰り返さないこと」を大切にしています。歯を残すための選択肢を丁寧に示し、患者さんの将来を見据えた最善の治療をご提案いたします。
まとめ
根管治療後に激しい痛みが続く場合、いくつかの原因が考えられます。
膿が溜まっている、細菌感染が残っている、歯根膜の炎症、噛み合わせの影響、歯根の破折など、原因はさまざまです。通常の術後の痛みは数日から1週間程度で治まりますが、激痛が続く場合は早めに歯科医院へ相談してください。
小林歯科医院では、マイクロスコープを用いた精密根管治療を行っています。拡大視野で根管内部を詳細に確認しながら治療を進めるため、感染源の取り残しを防ぎ、再発リスクを低減できます。また、ラバーダム防湿を使用し、感染対策を徹底しています。
根管治療後の痛みでお困りの方、再発が不安な方は、ぜひ一度ご相談ください。患者さんの大切な歯を守るため、精密治療とメインテナンスを大切にした診療を行っています。
著者情報
小林歯科医院 院長 小林 健二
日本顕微鏡歯科学会 認定医

