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ブルーラジカル治療は痛い?治療中・治療後の痛みと対処の考え方

歯周病治療で「ブルーラジカル」という言葉を耳にした方もいらっしゃるかもしれません。

重度の歯周病に対する新しい治療法として注目されていますが、多くの患者さんが気にされるのは「痛み」のことです。

従来の外科的な歯周病治療では、歯ぐきの切開や縫合を伴うため、術後の痛みや腫れが大きな負担となっていました。ブルーラジカル治療は非外科的なアプローチですが、実際のところ痛みはどの程度なのでしょうか。

本記事では、ブルーラジカル治療における痛みについて、治療中と治療後に分けて詳しく解説します。麻酔の使用や術後の痛みの程度、痛みを軽減する対処法まで、実際の臨床データに基づいた情報をお届けします。

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ブルーラジカル治療とは?基本的な仕組みと特徴

ブルーラジカル治療は、2023年に厚生労働省より医療機器製造販売承認を取得した、次世代の歯周治療システムです。

従来の治療法とは異なり、メスを使わずに進行した歯周病に対応できる点が大きな特徴となっています。この治療法は主に歯周炎のステージⅢ又はステージⅣの患者さんを対象としており、歯石等の沈着物の除去と歯周ポケット底部の殺菌ができる機能が正式に認められています。

治療の仕組みは、3%の過酸化水素に対して405nmの青色LEDを照射し、口腔内で高反応性の活性酸素(フリーラジカル)を生成するというものです。

このフリーラジカルが原因菌を標的として強力に除菌します。さらに本機器には超音波機能も搭載されており、歯石やバイオフィルム(プラーク)の物理的な除去にも対応可能です。実際の臨床現場では、歯ぐきの赤みや腫れの軽減、歯周ポケットの深さの改善といった変化が多く報告されています。

ブルーラジカルは、口腔細菌を99.99%殺菌することができる強力な殺菌力を持ちます。従来の超音波スケーラーによる治療では、歯周ポケットが深い場合には取り残しが出ることがありましたが、ブルーラジカルは深いポケット内に潜む病原菌にもアプローチできる点で優れています。

治療中の痛みはどの程度?麻酔の使用と実際の感覚

麻酔下での施術で痛みを最小限に

ブルーラジカル治療は、基本的に麻酔下で行われます。

必要に応じて、施術前には鎮痛薬を先に服用していただき、治療中の痛みが起こりにくいように配慮しています。麻酔の注射による痛みは多少なりとも伴いますが、専門的な技術を持つ歯科医師や歯科衛生士が麻酔を行うため、痛みへの配慮は最大限行われています。

実際に施術を受けられた患者さんからは、「全然痛くなかった」「普段の歯石を取る治療よりも楽だった」という感想が多く寄せられています。

治療中の独特な感覚について

治療中は専用の薬液を使用するため、独特の「味」を少し感じることがあります。

個人差はありますが、多くの患者さんは「そこまで気にはならない」とおっしゃっています。また、施術により周囲の歯茎が少し白くなることがありますが、これは過酸化水素水の強力な殺菌作用によるもので、通常は数日以内に自然な色へと戻りますのでご安心ください。

施術時間の短さも負担軽減につながる

ブルーラジカル治療は1歯あたり5分前後の施術時間です。

重度歯周炎に対する治療として実施される「歯周外科」や「歯周組織再生療法」は切開、剥離等の手術の要素があるため、長時間かかることがありますが、ブルーラジカルはそういった大変さがありません。治療時間が短いことも、患者さんの身体的・心理的負担を軽減する要因となっています。

治療後の痛みと不快感・・・どのくらい続く?

術後の痛みはごくまれ

ブルーラジカル治療後、ごくまれに歯ぐきに痛みや不快感を覚える場合があります。

しかし、これは一時的なもので、多くの場合は数日以内に治まります。外科的な処置を伴わないため、従来の歯周外科治療と比較して術後の痛みや腫れは大幅に軽減されています。切開を伴わない治療法であるため、術後の不快感や腫れを最小限に抑えることができるのです。

施術後の生活制限はほとんどない

施術後の制限は「麻酔が効いている」ということ以外は特にありません。

普段の歯科受診と変わらず、その後の生活をしていただけます。歯周外科や歯周組織再生療法のように、術後の安静が必要であったり、傷口の痛みを伴うこともありません。仕事や日常生活への支障を抑え、より早い復帰が可能になります。

歯茎の白色化は一時的な現象

治療後、一時的に歯ぐきが白く変色することがありますが、これは使用する過酸化水素水の強力な殺菌作用によるものです。

通常は数日以内に自然な色へと戻りますので、過度な心配は不要です。痛みが続くというようなこともありません。万が一、痛みや不快感が続く場合は、追加で適切な処置やケア方法をご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。

痛みを軽減するための対処法と注意点

治療前の準備が重要

ブルーラジカル治療を安全かつ効果的に実施するためには、患者さんご自身のお口の衛生状態が良好であることが重要です。

小林歯科医院では、PCR(プラークコントロールレコード)値を20%以下に維持することを治療実施の条件としています。PCR値が高いまま治療を進めると、治療後に再度細菌が繁殖し、症状が再発するリスクが高まるためです。患者さん一人ひとりのお口の状態を詳しく把握し、適切なブラッシング方法や補助器具の使用方法など、個別に最適化したブラッシング指導を行っています。

必要に応じた鎮痛薬の処方

必要に応じて、術前に鎮痛薬を先飲みしていただくことで、術中の痛みが起こりにくいように配慮しています。

これにより、治療中の不快感を最小限に抑えることができます。麻酔と鎮痛薬の併用により、患者さんは痛みをほとんど感じない状態で治療を受けることが可能です。当院では基本は事前投薬を行なっておりません。

治療後のセルフケアと専門的ケア

治療効果を最大限に引き出すためには、日頃のセルフケアと当院での専門的な口腔ケアが非常に重要です。

小林歯科医院では、歯周病の基本治療や定期的なメインテナンスを受けている患者さんを対象としてブルーラジカル治療を提供しています。ブルーラジカル治療の前後には、適切なブラッシング方法や定期的なメインテナンスを推奨しています。歯ぐきの健康を保ち、虫歯やかみ合わせの問題を予防するためにも、毎日のケアを継続していただくことが大切です。

治療後のフォローアップ体制

治療後は定期的なフォローアップが必要です。

治療後1週、4週、8週後にはブラッシングチェックと歯面清掃を行い、12週後には再検査・ブラッシングチェック・歯面清掃を実施します。このような継続的なケアにより、治療効果を長期的に維持し、再発を防ぐことができます。

従来の外科的治療との痛みの比較

外科的治療の痛みと負担

従来、重度歯周病は外科手術を伴う治療が一般的でした。

歯ぐきの切開や縫合を要することから、患者さんにとっては治療の痛みや術後の腫れ、回復期間の長さが大きな負担となっていました。手術による痛みは数日から数週間続くこともあり、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありませんでした。

ブルーラジカルの非外科的アプローチ

ブルーラジカルは外科処置を必要としないため、従来と同等以上の治療効果を保ちつつも、患者さんの身体的負担や心理的ストレスを大幅に軽減することが可能です。

切開を伴わない治療のため、1回の処置にかかる時間が比較的短く済み、スケジュールを圧迫せず無理なく通院できる点も魅力のひとつです。治療後の回復も早く、仕事や日常生活への支障を最小限に抑えることができます。

痛みの程度の実際の違い

外科的治療では、歯肉の切開、剥離、縫合という工程があるため、術後の痛みは避けられません。

一方、ブルーラジカル治療は麻酔下で行われ、外科的な侵襲がないため、術後の痛みはほとんどありません。実際に施術を受けられた患者さんも、「全然痛くなかった」「普段の歯石を取る治療よりも楽だった」と感想を述べられています。この違いは、患者さんの治療に対する心理的ハードルを大きく下げる要因となっています。

ブルーラジカル治療を受けられない方と注意事項

治療をご案内できない方

小林歯科医院では、患者さんの安全を第一に考え、以下に該当する方にはブルーラジカル治療をご案内することができません。

  • 妊娠中の患者さん
  • ペースメーカーを装着されている患者さん
  • 局所麻酔注射が不可能な患者さん
  • 光過敏症の診断を受けている患者さん
  • 無カタラーゼ症の患者さん
  • 鼻呼吸ができないもしくは水を口に溜めていられない患者さん
  • 骨粗鬆症の方でBP製剤を服用されている患者さん

これらに該当する場合は、別の適切な治療法をご提案させていただきますので、まずはご相談ください。

治療の限界についての理解

ブルーラジカル治療は歯周病を完全に治癒させたり、一度失われた歯周組織や骨を再生させる治療ではありません。

歯周病にはステージⅠからⅣまでの段階があり、他院で抜歯が必要と診断された歯に関しては、進行度が非常に重度であることが多く、その歯が保存可能かどうかについては個別の判断が必要となります。一概に保存できるとは言えないため、慎重に診断いたします。

治療後の継続的なケアの重要性

ブルーラジカル治療は、処置により歯周ポケット内の無菌化を試みますが、その後の口腔衛生管理が不十分な場合、再感染を起こし期待していた結果が望めない場合があります。

歯周病はご自身のセルフケアに大きく影響を受けるため、当院では術前・術後の口腔衛生管理を大事にしております。そのため、当院での基本治療、または他院でメンテナンスをされている方へブルーラジカル治療を提供しております。

まとめ:痛みの少ない次世代の歯周病治療

ブルーラジカル治療は、従来の外科的な歯周病治療と比較して、痛みや不快感を大幅に軽減できる次世代の治療法です。

麻酔下で行われるため治療中の痛みはほとんどなく、術後の痛みや腫れも最小限に抑えられます。実際に施術を受けられた患者さんからは、「全然痛くなかった」「普段の歯石を取る治療よりも楽だった」という感想が多く寄せられており、痛みへの不安を大きく軽減できる治療法と言えます。

治療の成功には、患者さんご自身の口腔衛生管理が非常に重要です。

PCR値を20%以下に維持し、適切なブラッシングを継続することで、治療効果を最大限に引き出すことができます。また、治療後の定期的なフォローアップにより、長期的な効果の維持と再発防止が可能となります。

重度の歯周病でお悩みの方、外科的な治療に不安を感じている方は、ぜひ一度ブルーラジカル治療についてご相談ください。患者さん一人ひとりのお口の状態やかみ合わせを総合的に診断し、最適な治療計画をご提案いたします。

詳しい治療内容や費用については、こちらをご覧ください。

小林歯科医院 ブルーラジカル

著者情報

小林歯科医院 院長 小林 健二

日本顕微鏡歯科学会 認定医