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コラム

虫歯治療後に歯がしみるのはなぜ?

治療したのに痛む理由と回復のメカニズムを解説

🦷 治療後の「しみる」症状は珍しくない

虫歯の治療を終えたのに、冷たい物を口に入れるとしみる――。

そんな経験をすると「ちゃんと治療できていないのでは?」「虫歯が残っているのでは?」と不安になりますよね。

でも、ご安心ください。 

虫歯治療後に歯がしみるのは、決して珍しいことではありません。

むしろ、深い虫歯を治療した場合には、ある程度予想される自然な反応なのです。

🔍 なぜ治療後に歯がしみるの?

虫歯治療で歯を削った後にしみる症状が出るのには、いくつかの理由があります。

1. 神経を守る壁が薄くなったため

歯の表面は硬い「エナメル質」で覆われていますが、その下には「象牙質」という組織があります。象牙質には神経につながる細い管がたくさん通っており、ここに刺激が伝わると痛みとして感じます。

虫歯を削ると、神経を守る壁が薄くなり、温度などの刺激が神経に伝わりやすくなります。特に虫歯が深かった場合は、神経の近くまで削ることになるため、神経が興奮状態になり、しみる症状がより強く、長く続くことがあります。

2. 詰め物の材料による影響

詰め物に使われる材料によっても、しみやすさは変わってきます。

  • 金属(銀歯)の詰め物: 熱伝導率が高いため、熱い物や冷たい物の刺激を神経に伝えやすい
  • プラスチックやセラミック: 金属に比べて熱を伝えにくいため、しみにくい

※傾向であり、プラスチック・セラミックだからしみないというものではありません。

3. 神経が一時的に過敏になっている

歯を削るという行為自体が神経への刺激となり、治療直後は神経が過敏な状態になっています。この過敏な状態が、しみる症状を引き起こしているのです。

🌟 歯の自然治癒力:「第二象牙質」の形成

ここで重要なのが、歯には自己防御機能が備わっているということです。

適度な刺激が歯に伝わり続けると、歯は自らを守るために「第二象牙質(二次象牙質)」という新しい硬い層を、神経の周りに作り始めます。

第二象牙質による回復のメカニズム

  1. 削られた歯が刺激を受ける
  2. 歯が防御反応として第二象牙質を形成
  3. 詰め物と神経の距離が長くなる
  4. 刺激が伝わりにくくなる
  5. しみる症状が徐々に消えていく

この生体の自然な防御反応により、ほとんどの場合、時間とともにしみる症状は改善していきます。

⏰ しみる症状はどのくらい続くの?

回復までの期間には個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

期間 状態
2〜3週間 早い人はこの頃から症状が軽減
1〜2ヶ月 多くの人がこの期間で回復
数ヶ月 虫歯が深かった場合は時間がかかることも

治療後は、特に冷たい物や熱い物を避け、刺激を与えないように注意しながら経過を観察することが大切です。

⚠️ 注意が必要な症状

ただし、以下のような症状が見られる場合は、早めに歯科医院に相談してください。

  • ✗ 数週間経っても症状が改善しない
  • ✗ しみる症状が日に日に強くなる
  • ✗ ズキズキとした持続的な痛みが出てくる
  • ✗ 何もしなくても痛む

これらの症状は、神経がダメージを受けて回復が難しい状態になっている可能性があります。

💉 最終手段:抜髄(神経を取る治療)

第二象牙質の形成を待っても症状が改善せず、むしろ悪化する場合には、抜髄(ばつずい)という神経を取る治療が必要になることがあります。

抜髄が必要になるケース

  • 痛みが数週間以上続き、増強している
  • ズキズキとした激しい痛みがある
  • 神経が炎症を起こして回復が見込めない
  • 神経が死にかけている、または死んでしまった

なぜすぐに神経を取らないの?

「しみるなら最初から神経を取ってほしい」と思われるかもしれません。しかし、神経を取った歯は次のようなデメリットがあります。

  • 🔹 歯がもろく割れやすくなる
  • 🔹 年々変色していく
  • 🔹 新たな虫歯ができても痛みを感じないため、発見が遅れる
  • 🔹 結果的に抜歯のリスクが高まる

そのため、歯科医師は可能な限り神経を残すことを優先し、歯の自然治癒力を信じて経過観察を行うのです。

📋 治療後のアドバイス

症状が落ち着くまでの過ごし方

✓ 冷たい物・熱い物は控えめに
✓ 治療した側で硬い物を噛まない
✓ 処方された痛み止めは指示通りに服用
✓ 勝手に治療を中断しない
✓ 気になる症状は遠慮せず歯科医師に相談

「しみる」=「神経が生きている証拠」

しみる症状は不快ですが、見方を変えれば「歯の神経がしっかり生きている証拠」でもあります。神経が生きていれば、歯は栄養を受け取り、長持ちする可能性が高まります。

✨ まとめ

虫歯治療後に歯がしみるのは、決して異常なことではありません。

  1. 治療後のしみる症状は一般的な反応
  2. 歯は第二象牙質を作って自己修復する
  3. 多くの場合、2週間〜2ヶ月で改善
  4. 症状が続く・悪化する場合は抜髄の可能性も
  5. 神経を残すことが歯の長期的な健康につながる

治療後の不安な症状も、歯の回復プロセスの一部です。焦らず、歯科医師と相談しながら経過を見守りましょう。何か気になることがあれば、遠慮なく相談してください。