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歯茎に白いできものが押すと痛い原因と治療法を歯科医がわかりやすく解説

歯茎の白いできものは何のサイン?
鏡で口の中を見たとき、歯茎に白いできものを見つけて驚いたことはありませんか?
「これって口内炎?それとも何か悪い病気?」と不安になる方も多いでしょう。実は、歯茎にできる白いできものの多くは「サイナストラクト(瘻孔)」と呼ばれるもので、歯の根の中で感染が起こっているサインです。
フィステルは、歯の根の先に溜まった膿が外へ抜け出すために歯茎に”出口”を作ってしまった状態を指します。見た目は小さなニキビのようで、押すと膿が出ることもあります。痛みがないことも多いため、つい放置してしまいがちですが、原因が改善しないまま時間が経つと、骨が溶けたり、最終的に歯を失うリスクへつながることもあるのです。
この記事では、歯茎の白いできものの正体や原因、そして適切な治療法について、日本顕微鏡歯科学会認定医の立場から詳しく解説していきます。
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フィステル(歯茎の白いできもの)の見た目と特徴
フィステルには、いくつかの特徴的な見た目があります。
白または黄色の小さなできものとして現れることが多く、歯茎の表面にニキビのような膨らみが見られます。押すと膿が出ることがあり、その際に不快な臭いを伴うこともあります。
痛みは少ないことが特徴的です。違和感や腫れを伴うことはありますが、強い痛みを感じないため「大したことない」と思ってしまう方が多いのです。また、自然と出現したり消失したりを繰り返すという特徴もあります。
なぜ痛みがないのか?

フィステルに痛みがない理由は、膿が外へ抜けている状態のため、内部圧が下がり痛みを感じにくくなるからです。
歯の神経が既に死んでしまっている場合、炎症が起きていても痛みの信号が脳に伝わりません。そのため、歯の根の先に膿がたまっても痛みがない状態になりやすいのです。一方、神経がまだ生きている歯では、同じような感染でも強い痛みを伴う傾向にあります。
「痛くないから大丈夫」と放置してしまう方が多いのですが、これは大きな間違いです。
歯茎の白いできものができる主な原因
フィステルができる原因は、大きく分けて4つあります。
①根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)
最も一般的な原因は、虫歯の進行や外傷、過去の根管治療後の再感染によるものです。
虫歯が進行して歯の神経まで達すると、細菌が繁殖し、膿が溜まります。この状態を「根尖病巣」といいます。そのまま放っておくと、歯の根っこの膿が大きくなり歯根を溶かしたりします。炎症が慢性化すると、膿が通る細い道が形成され、歯茎の表面に白い「出口」となるフィステルができるのです。
神経が死んでしまっているため、痛みは感じないことが多いですが、放置すると歯を抜かないといけなくなってしまいます。
②歯根破折(歯のひびや割れ)
神経を失った歯はもろくなり、噛む力や歯ぎしりなどの負担でヒビが入るリスクがあります。
歯の根っこ(歯根)にひびが入ったり、割れたり折れたりすることを歯根破折といいます。破折した部分に細菌が感染すると、歯茎の腫れや「白いできもの」ができたりします。特に、過去に根の治療を繰り返したり、金属の土台が入っていると、歯の根が割れやすくなるのです。
破折の範囲によっては保存が難しく、抜歯を含む判断となる可能性があるため注意が必要です。
③歯周病の進行

歯周病は、歯と歯茎の間の歯周ポケットに細菌がたまり炎症を起こす病気です。
歯周病が進行すると歯の周りに膿がたまり、その膿が歯茎の表面に出て白いできもののように見えるケースがあります。歯周病が進行すると歯茎の腫れや出血、口臭、歯がぐらつくなどの症状を伴うことが多いです。また、痛みがある歯だけが原因とは限らず、炎症は広範囲に及ぶ可能性があります。
④その他の原因(口内炎・白板症など)
歯茎の白いできものに見えても、原因が歯の病気ではない場合もあります。
口内炎は表層粘膜の炎症で、しみる、触れると痛むケースが多く、通常は数日〜1週間で回復します。白板症は口の粘膜が白く厚くなり、擦っても取れないのが特徴です。長期間の刺激(入れ歯のこすれや喫煙など)が関係するとされ、一部は前がん病変に分類されます。見た目では判断が難しいため、早めに歯科医院に相談することをおすすめします。
フィステルを放置するとどうなる?
フィステルを放置することは、非常に危険です。
感染や炎症を放置すると、根本的な原因を治療しないと、感染が拡大し、顎の骨や周囲の歯にまで広がる可能性があります。これにより治療が複雑になり、より深刻な処置が必要となることがあります。また、感染が進行すれば、歯そのものがダメージを受けて保存できなくなり、最終的に抜歯が必要になるケースも増えます。
原因となっている根の先に溜まった膿の袋は次第に大きくなり、周りの歯の根を溶かしたり、神経を死なせてしまったりします。
長期間、そのような状態が続くと、根の治療だけでは改善することが困難になり、根の一部を取り除く必要がでてきます。さらに、この膿は血液によって体中に運ばれるので、心臓の病気やアレルギーの原因にもなってきます。
フィステルは感染のサインであり、早期に適切な治療を行うことが歯と口腔全体の健康を守るために重要です。
歯茎の白いできものの治療方法

フィステルの治療は、原因によって異なります。
①感染根管治療
細菌に侵された歯の根の治療として、根の中を針金のようなやすり(ファイル)でこすり落としてから根の中を消毒し、薬で密閉して細菌の住み家をなくす方法です。
根管治療によって歯根の炎症が治れば、フィステルも無くなります。一度、根管治療し再び感染してしまった場合も同様に再度、根管治療を行います(感染根管治療)。
ただし、少しでも細菌に侵された根の部分が残ってしまうと、そこからまた細菌が増え、歯茎の白いできものがいつまで経っても治らなかったり、再発を繰り返すことになります。
②歯根端切除術
感染根管治療をおこなっても、歯茎の白いできものが治らなかった場合や、根が曲がっているためにファイルが先端まで届かない、土台があるために取ろうとすると根が割れる危険がある場合など、麻酔をして歯茎の方から膿の袋を取り出します。
根の先端の一部を切断し、裏側から薬を詰めて細菌に感染しないようにします。膿の袋を摘出後は骨ができている場合もあります。
③意図的再植術
下顎の奥歯などの骨が厚く、歯茎から歯根端切除術ができない場合は、麻酔をして一度歯を抜くことになります。
そして抜いた穴から膿の袋を取り出し、その後また歯を戻す再植術を行います。ただし、根が曲がっていたり、抜歯の時に歯が折れてしまう危険がある場合はできない場合もあります。
④抜歯が必要な場合

歯根が割れていたり、穴が空いているなど大きな破折の場合、やむを得なく抜歯になるかもしれません。
症状によっては、部分抜歯という選択肢もあります。奥歯には根が2本から4本ありますが、その内の1本を膿の袋と一緒に抜歯をおこないます。これにより他の根を助けることができます。
小林歯科医院のマイクロスコープを使った精密根管治療
当院では、歯科用顕微鏡「マイクロスコープ」を使った精密な根管治療を行っています。
根管(歯の根の細い管)は肉眼ではよく見えず、従来の治療ではどうしても”勘”や”経験”に頼らざるを得ない部分がありました。マイクロスコープを使うことで、最大数十倍まで視野を拡大しながら、汚れやヒビ、細かな根の入口までしっかり確認して治療できます。
結果として、細菌の取り残しを減らし、再治療のリスクを抑えやすくなります。
歯髄保存療法で神経を残す選択肢も
当院では「歯の神経をできるだけ残す」歯髄保存療法にも取り組んでいます。
すぐに神経を取るのではなく、「残せる可能性があるかどうか」をマイクロスコープで丁寧に見極めたうえで治療方針を決定します。神経を残せれば歯は長持ちしやすく、将来の「抜歯リスク」を減らせる可能性があります。
一度削ったり、神経を取ってしまった歯は、元の状態に戻すことはできません。だからこそ当院では、精密な根管治療と歯髄保存療法、そして定期的なメインテナンスを組み合わせ、「負のデンタルサイクル(治療の繰り返し)」に陥らないことを目指しています。
治療の内容を画像・動画で説明

治療中の様子を画像や動画で記録し、実際にお見せしながら説明することで、「自分の歯が今どうなっているのか」を視覚的に理解していただけるよう工夫しています。
治療の流れ、どんなメリット・デメリットがあるか、期間や回数、費用のおおよその目安を、マイクロスコープで撮影した画像などもお見せしながら、分かりやすく説明するよう心がけています。
まとめ:歯茎の白いできものは早めの受診を
歯茎にできる白いできもの「フィステル」は、歯の根の中で感染が起こっているサインです。
痛みがないことも多いため、つい放置してしまいがちですが、原因が改善しないまま時間が経つと、骨が溶けたり、最終的に歯を失うリスクへつながることもあります。フィステルは自然に治ることはなく、原因となる感染源の治療が必要です。
主な原因は、根尖性歯周炎(歯の根の先の炎症)、歯根破折(歯のひびや割れ)、歯周病の進行などがあります。治療方法は原因によって異なり、感染根管治療、歯根端切除術、意図的再植術、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
「この歯をなんとか残したい」「根の治療をしっかりやっておきたい」とお考えの方は、韮崎市の小林歯科医院へ一度ご相談ください。
当院では、マイクロスコープを使った精密な根管治療と歯髄保存療法、そして定期的なメインテナンスを組み合わせ、「負のデンタルサイクル(治療の繰り返し)」に陥らないことを目指しています。あなたの歯を守るための最適な方法を、一緒に考えていきます。
詳しい情報や治療についてのご質問は、小林歯科医院のホームページをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。皆様の歯の健康をサポートするために、私たちはいつでもお待ちしております。
著者情報
小林歯科医院 院長 小林 健二
日本顕微鏡歯科学会 認定医

