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負のデンタルサイクルとは?
患者さんへお伝えしたいこと
当院では悪い部分だけを治すのではなく、お口の中全体からその部分を診ることにより、原因となる歯の治療だけでなく隣り合う歯や噛み合う歯、そして反対側の部位を診て必要があればその治療をご提案致します。
このように「木も見て森も見る」治療を行っていくことで、患者さんのお口の健康維持・向上に努めて参ります。
当院では今までの経験をもとに、すべての治療において3年・5年・10年先をイメージして治療計画を立てています。治療のタイミングについても、「今、本当に治療が必要なのか」を逐一確認し、本当に必要な治療だけを必要な時期に行うよう努めていきます。そのために患者さんにお願いしたいことは、日々変化するお口の状況を、長期的かつ定期的に拝見させていただくことです。病気の発見が遅れて手遅れにならないよう、予防ケアの重要性をご理解いただきたいと思います。
負のデンタルサイクル
歯科治療には『負のデンタルサイクル』というものがあります。また、虫歯治療には絶対的な3つのルールが存在します。
- 一方通行である どんなに素晴らしい治療でも歯を元通りにすることはできません。
- 止めることはできない 一度治療を加えると、虫歯の進行を完全にストップすることは難しいです。
- 回れば回るほど回りやすい 健康な歯が最も強く、治療を加えるほど状態は悪くなり不安定になります。
では『負のデンタルサイクル』をストップさせることはできないのか、止めるためには何が必要なのか。
まず、サイクルをストップさせるには治療を行わない健康な状態を維持することが大切になります。それには歯が痛くなったら歯医者へ行くのではなく、健康な状態を維持できるように定期的に歯科医院にてメンテナンスを行う必要があります。それが定期検診、予防歯科です。また、サイクルを多く回さない・治療を最小限に抑えるように、早期発見・早期治療により進行を遅らせると共に、詰め物の周りに段差や隙間ができないように精密かつ適合のよい詰め物が必要となります。
現在の健康保健適応の処置には、この『精密さ』『適合性』は考慮されておりません。
健康保険適応の治療とは、国が定めた材料を用い、定められた方法で処置を行っていくものです。多種多様な症状がある歯の問題も一律の症状と見なし、日本全国どこでも誰でも同じ治療を施すものとなります。そのため、決して「その人に合った良質な治療」を保証されているものではない点、また健康保険適応の処置だけで歯科医師・患者さんお互いが満足できる治療を提供することが難しい点についてご理解頂ければと思います。
もちろん当院では健康保険適応の処置でも可能な限り適合のいい治療を心掛けておりますが、保険診療内での処置には限界がございます。
それらを解消するために歯科治療には精密補綴治療、精密根管治療があります。これらは自費診療の範疇となってしまいますが、歯を守る・残すためには必要不可欠なものとなります。
歯科治療に対しては、ときに金銭的に「高い」と感じることもあるでしょう。しかし、金銭的な感覚だけで単発的な治療を選択し、根本的な原因の改善をしなかった場合、どうなっていくでしょうか?長い目で見た場合、結局のところ、より金銭的・身体的(再治療や抜歯など)負担が大きくなっていきます。当院では、治療費の捉え方などについてのご相談もお受けしていきますので、お悩みの場合は、私でもスタッフでもお気軽にご相談ください。
歯は、失ったら二度と戻ってこない大切な体の一部です。治療が成功しても、風邪や骨折の完治とは違い、決して元通りにはならないものです。クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)にも大きくかかわる部分です。当院では、ご縁あって来院していただいた患者さんのお口を、長期的によい環境で維持できるよう見守らせていただきたいと思っています。
しかし私たちは、医院の方針を無理やり患者さんに押しつけるようなことは決して致しません。費用についても患者さんが無理のないよう配慮し、可能な範囲の中で適切な治療をご提案致します。今後は自費診療(精密治療、クリーニング、審美、インプラントなど)も積極的に取り入れて参りますが、保険診療だから手抜きをするということは決してありませんのでご安心いただければと思います。
また、「今は悪い部分だけを治したい」と言われる患者さんには、今後予想されるリスクをご説明した上で、対応いたしますのでご安心ください。
歯科治療は、ケースにもよりますが、治療に期間がかかります。そのため歯科医師と患者さん、衛生士と患者さんの信頼関係がとても重要です。私たちもできるだけわかりやすいご説明に努めますが、患者さんからもわからないこと、ご不安なことなどはお気軽に質問していただければと思います。