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コラム

重度の歯周病はどう治療する?進行段階別に考える治療の選択肢

歯周病とは・・・静かに進行する口の中の病気

歯周病は、歯の周りの組織に炎症が起きる病気です。

初期の段階では痛みがほとんどなく、気づかないうちに進行していきます。歯磨きで血が出る、歯ぐきが腫れている、口臭が気になる・・・こうした症状が現れた時には、すでに歯周病が進んでいる可能性があります。

歯周病の原因は、歯に付着する「プラーク(歯垢)」に含まれる細菌です。このプラークが歯と歯ぐきの境目に溜まり、放置されると石のように固い「歯石」となります。歯石は歯ブラシでは取れず、細菌の温床となって歯周病を進行させていきます。

歯周病は日本人が歯を失う最大の原因とされています。35歳以上の約80%が歯周病にかかっているというデータもあり、決して他人事ではありません。

歯周病の進行段階・・・4つのステージを知る

歯周病は進行度によって、大きく4つの段階に分けられます。

歯肉炎(初期段階)

歯ぐきに炎症が起きている状態です。

歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)は2~3mm程度で、歯磨き時に出血することがあります。この段階では歯を支える骨はまだ溶けていないため、適切なケアで健康な状態に戻すことができます。

軽度歯周炎

歯周ポケットが3~5mmに深くなり、歯を支える骨が少しずつ溶け始めます。

歯ぐきの炎症が強くなり、赤みや腫れが目立つようになります。歯が浮いたような感じがすることもありますが、痛みはほとんどないため、放置してしまうケースが多い段階です。

中等度歯周炎

歯周ポケットが4~7mmとさらに深くなり、歯を支える骨が半分近く失われます。

歯がぐらつき始め、歯ぐきが下がって歯が長く見えるようになります。歯ぐきから膿が出たり、口臭が強くなったりする症状も現れます。食事の際に噛みにくさを感じることもあります。

重度歯周炎

歯周ポケットが8mm以上になり、歯を支える骨が大きく失われた状態です。

歯が大きくぐらつき、歯ぐきが赤紫色に変色します。歯と歯の間にすき間ができ、食べ物が詰まりやすくなります。この段階になると、放置すれば歯が抜け落ちるリスクが非常に高くなります。

歯周病治療にブルーラジカルは有効?従来治療との使い分けを解説

ブルーラジカルは歯周病治療にどのように活用されるのでしょうか。
従来治療との違いや使い分けについて解説します。

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初期から中期の歯周病治療・・・基本となる3つのアプローチ

歯周病の治療で最も重要なのは「歯周基本治療」です。

進行段階に関わらず、まずはこの基本治療をしっかり行うことが、すべての治療の土台となります。

ブラッシング指導

毎日のセルフケアが歯周病予防の基本です。

「磨いているつもりが磨けていなかった」というケースは非常に多く、正しい磨き方を身につけることが重要です。小林歯科医院では、患者さん一人ひとりの口の状態に合わせて、プロが丁寧にブラッシング方法をアドバイスしています。

スケーリング

歯の表面に付着した歯石やプラークを、専用の器具で取り除く処置です。

いわゆる「歯石取り」と呼ばれるもので、歯ぐきの上に見える歯石(縁上歯石)を除去します。超音波スケーラーやハンドスケーラーを使用し、歯ぐきの炎症を抑え、口臭改善にもつながります。

ルートプレーニング(SRP)

歯周ポケットの奥深くに入り込んだ歯石を取り除く治療です。

歯ぐきの中にある歯石(縁下歯石)は、血液成分などを取り込みながら硬く形成されるため、除去が難しい特徴があります。専門器具を使って歯の根の表面を滑らかに仕上げることで、細菌が再付着しにくい環境を作ります。

これらの基本治療を徹底的に行い、プラークコントロールを確立することが、歯周病治療の成功の鍵となります。

重度歯周病の治療・・・外科的処置と再生療法

重度の歯周病になると、基本治療だけでは改善が難しくなります。

そのため、必要に応じて外科的な処置や専門的な治療を組み合わせていきます。

フラップ手術(歯周外科治療)

歯周病が中期から末期に進行すると、歯周ポケットが深くなりすぎて、器具を挿入しても手探りでは歯石を完全に取り除けなくなります。

フラップ手術では、麻酔後に歯の周囲の歯ぐきを切開し、歯ぐきの奥の汚れを直接目で見ながら取り除きます。深い歯周ポケットをしっかり清掃できるため、重度の歯周病治療に有効な方法です。

歯周組織再生療法

歯周病で失われた歯を支える骨や組織を、専用の薬剤を使って回復させる治療法です。

小林歯科医院では、この再生療法にも対応しています。「抜歯しかない」と言われた患者さんでも、歯を残せる可能性があります。歯周病によってダメージを受けた歯ぐきや骨を少しでも回復させることで、長期的に歯を保つことを目指します。

戦略的抜歯

可能な限り歯を残す方針で治療を進めますが、長期的に見ると問題を引き起こすリスクの高い歯に関しては、抜歯を検討する場合もあります。

これを「戦略的抜歯」と呼びます。一本の歯を残すことにこだわるあまり、周囲の健康な歯まで失ってしまうことを避けるための判断です。小林歯科医院では、患者さんのご希望をしっかり伺いながら、一人ひとりに合った最適な治療法をご提案しています。

ブルーラジカル治療

ブルーラジカル治療は、青色LEDと過酸化水素を用いた世界初の歯周病治療システムです。

メスを使わずに歯周ポケットの奥深くまで殺菌できるため、従来の外科手術と比べて体への負担が少なく、治療時間も短く済みます。

中等度〜重度の歯周病でお悩みの方にとって、有力な選択肢の一つとなり得る治療法です。

歯周病治療の費用について

歯周病治療の多くは、保険適用で受けることができます。

スケーリングやルートプレーニング、フラップ手術などの基本的な治療は、保険診療の範囲内です。ただし、歯周組織再生療法など一部の高度な治療については、自費診療となる場合があります。

治療費は進行度や治療内容によって異なりますので、詳しくは歯科医院で相談されることをおすすめします。小林歯科医院では、治療前に丁寧な説明を行い、患者さんが納得したうえで治療を進めています。

歯周病と全身の健康・・・口だけの問題ではない

歯周病は、口の中だけの問題ではありません。

近年の研究により、歯周病が全身のさまざまな病気に関連していることが明らかになっています。

糖尿病との関係は特に深く、歯周病があると糖尿病が悪化しやすく、逆に糖尿病があると歯周病が進行しやすいという相互関係があります。また、心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産との関連も指摘されています。

小林歯科医院では、口腔だけでなく全身の健康を守る視点から歯周病治療を実施しています。

歯周病を治療することは、将来の健康リスクを減らすことにもつながります。

定期メインテナンスの重要性・・・再発を防ぐために

歯周病は治療後の再発率が高い病気です。

せっかく治療しても、その後のケアを怠ると再び悪化してしまいます。そのため、治療後の定期メインテナンスが非常に重要になります。

小林歯科医院では、3~6ヶ月間隔の定期メインテナンスを提案し、健康な状態をキープできるよう長期的にサポートしています。定期的なクリーニングで再発を防ぎ、「治す治療」から「守る治療」へと位置づけています。

定期メインテナンスでは、歯のクリーニング、歯石除去、虫歯や歯肉の状態チェックを行います。予約制で同じ歯科衛生士が担当するため、前回からの変化や異常、経過観察中の歯のチェックなど、気になる点を気軽に相談できる雰囲気です。

こんな症状があれば早めに相談を

以下のような症状がある場合は、早めに歯科医院での診察を受けることをおすすめします。

  • 歯磨きで血が出る
  • 歯ぐきが腫れている、下がってきた
  • 口臭が気になる
  • 歯が揺れる気がする
  • 歯茎がムズムズして不快
  • 最近歯科検診に行っていない

初期の歯周病は痛みがないため、気づいていない方がほとんどです。

自覚症状がない時期こそ予防が効果的であり、早期に対処すれば確実に改善できます。しかし放置すれば、歯を失い、生活の質まで大きく落としてしまう病気です。

「ちょっと気になる」「最近、歯ぐきが下がってきた気がする」「口臭が気になる」・・・そんな方は、一度小林歯科医院にご相談ください。

まとめ・・・歯周病は早期発見・早期治療が鍵

歯周病は進行段階によって治療法が異なります。

初期の歯肉炎であれば、ブラッシング指導とスケーリングで改善できます。軽度から中等度の歯周炎では、ルートプレーニングによる徹底的な歯石除去が必要です。重度になると、フラップ手術や歯周組織再生療法といった専門的な治療が求められます。

小林歯科医院では、歯周病の進行度を詳しく調べ、「今どの状態か」「どんな治療が必要か」をわかりやすく説明し、患者さんが不安を残さず納得したうえで治療を進められるようにしています。

説明の丁寧さ、痛みの少ない治療、患者さんに寄り添う姿勢を大切にし、未来の歯を守るためにしっかりサポートいたします。

あなたのお口の健康を守る”パートナー”として、丁寧にサポートいたします。

韮崎市で歯周病治療をお考えの方は、ぜひ小林歯科医院にご相談ください。早めのケアが、将来の健康な歯を守ります。

著者情報

小林歯科医院 院長 小林 健二

日本顕微鏡歯科学会 認定医